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第69部・お肌を守る

(2254)単純ヘルペス 抵抗力が下がると再発 感染すると、生涯潜伏
北國新聞(朝刊)2018年06月30日付

ヘルペスウイルス
 口の周りにできた5、6個の水ぶくれ。金沢市の40代女性は「またできてしまった。最近、家事も仕事も忙しかったからかなあ」とつぶやいて、金沢医科大病院の皮膚科を受診した。

 女性が「またできた」と話したのは、繰り返し発症するヘルペスウイルスによる単純ヘルペスの患者だからだ。水ぶくれは代表的な症状である。

 金沢医科大病院の西部明子准教授は「ヘルペスウイルスは一度感染すると、生涯にわたって神経に潜伏します。単純ヘルペスの患者さんは体の抵抗力が下がると水ぶくれなどの症状が繰り返すことがあります」と説明する。再発の頻度は患者によって異なり、多いと1年に数回のこともあるという。

 ヘルペスウイルスには1〜8型の8種類があり、患者が多いのはそのうちの3種類だ。今回は1型と2型による単純ヘルペスを紹介する。顔は1型が多く、陰部は2型が多いが、そうでないことも珍しくない。口や唇にできるものを口唇ヘルペス、陰部にできるものを陰部ヘルペスと呼ぶこともある。成人の約半分は1型か2型のどちらかに感染しているとされる。水ぼうそうの水痘・帯状疱疹(ほうしん)ウイルスは3型である。

水ぶくれで感染

 1、2型とも、普段は体の抵抗力である免疫がウイルスを抑えているが、睡眠不足や疲れの蓄積、栄養不足などになると、ウイルスが活動を始めて症状が出てくる。

 女性の場合、まず口の周りがムズムズとかゆくなり、その後、水ぶくれができて軽い痛みを感じた。「水ぶくれの中にウイルスが増殖しているので、他人と接触すると感染させてしまうこともあります」と西部准教授が注意を促す。家族とタオルを共有してはいけないし、赤ちゃんのだっこや、頬ずりも避けるべきだ。

 治療では、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス剤を飲めばよい。1週間ほどで水ぶくれはかさぶたになり、ウイルスが減って他人に感染させるリスクも低下する。女性も薬を飲み続けると、症状は徐々に改善した。薬は点滴や外用剤もある。

 陰部ヘルペスによって性器の周りに水ぶくれができると、性感染症として扱われる。性交によって感染し、水ぶくれがつぶれると排尿時に染みたり、下着がこすれて激しい痛みを感じたりする。陰部ヘルペス患者のうち、再発頻度が高い場合は、予防的に内服薬を使う場合もある。

放置すると重篤に

 単純ヘルペスは治療しなくても1、2週間ほどで症状が自然に治まることが多い。だが、放置すると重篤な病気につながることがあるので、皮膚科を受診した方がよい。

 例えば、ウイルスが目に入ると角膜に感染し、充血や痛みを引き起こす。金沢医科大病院では、目の近くに水ぶくれができた患者は皮膚科から眼科に紹介して目の検査を受けてもらっている。また、まれではあるが、ウイルスが脳に感染すると脳炎を発症して患者の10%ほどは命を落としてしまう。

 こうした病気は、ヘルペスウイルスの3型が引き起こす帯状疱疹でも起きる可能性は大きい。

 西部准教授は「単純ヘルペスの怖さを知らない人も多いでしょう。まずは正しい情報を知り、気になる症状がある人は皮膚科を受診してほしい」と呼び掛けた。



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