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第70部・昔の常識、今の非常識

(2272)食物アレルギー 少しずつ体に慣れさせる 「食べずに待つ」は避けて
北國新聞(朝刊)2018年09月01日付

食物アレルギーについて説明する武石部長=金沢市の城北病院
 子どもに多い食物アレルギーでも、昔の常識が否定されてきている。以前は「食物アレルギーの可能性がある子どもは対象の食品を食べずに、アレルギーの恐れがなくなるまで待つ」ことが勧められていた。しかし、現在は「アレルギー症状が現れない程度の少量を食べて、体を慣らしていく」ことが発症予防に効果的だと考えられているのだ。

外敵と間違える

 まず、食物アレルギーはなぜ起きるのか紹介しよう。金沢市の城北病院の武石大輔小児科部長は「食べ物を体が外敵と間違って認識して、本来は体を守る免疫が働きます。免疫が過剰に作用すると食物アレルギー反応が現れ、体に悪影響が出るのです」と説明する。軽度ならかゆみや腹痛、嘔吐(おうと)などの症状が出るし、重症ならアナフィラキシーショックで血圧や意識レベルが低下して命が危険になる恐れもある。

 原因となる食品は、卵と牛乳と小麦が全体の6〜7割を占める。ほかにエビやカニ、そば、ピーナツなどがあり、魚卵に反応する人もいる。

 食物アレルギーの可能性があるかどうかは、血液検査で判定できる。このため、以前は検査結果が陽性になれば原因の食品を食べずに、定期的な血液検査によりアレルギーの恐れがなくなれば食べ始めることが一般的だった。

 しかし、血液検査で反応があっても、実際に食べて症状が出ない場合も多く、食べないことを続けると食べ始める時により強い症状が起きる可能性があることも分かってきた。一方で、鶏卵アレルギーを発症する可能性がある乳児が、生後6カ月から微量の鶏卵を食べると、1歳でアレルギーの発症を抑制できた、との研究もある。

 武石部長は「少しずつ食べることで食品は外敵ではないと体が勉強して、徐々に体が慣れていくのでしょう」とみている。

最初はひとかけら

 具体的な例はこうだ。卵の場合では、いり卵を1日1回、ひとかけら(0・1グラム)だけご飯に混ぜて食べさせる。アレルギー症状が出なければ1カ月後に0・2グラム、その次の月には、また増やすというふうにする。その子が食べられる限界の量や、出てくる症状によって、開始の量や増やすペースは調整する。

 順調に進めば半年から数年ほどで1個を食べられるようになる。ほかの食品の場合でも、この方法を応用すればよい。卵は火を通すとアレルギーの原因物質が減るのでお勧めという。

 この方法では7〜8割の子どもが原因の食品を食べられるようになる。また、大部分の子どもは通常の量は無理でも少しなら食べられたり、万が一、アレルギー症状が出ても軽く済んだりする効果があるという。

 子どもに原因の食品を食べさせることを恐れる保護者もおり、武石部長は「最初は病院で医師の指導を受けながら食べるとよい」と話す。自己流で食べさせると、悪影響が出る可能性があるので、医師と相談しながら進めよう。アレルギーを抑える薬の処方も受けられる。

 成長するにはバランスのよい食事が大切だ。元気に育つよう、食物アレルギーを克服する方法を知っておきたい。



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