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第70部・昔の常識、今の非常識

(2287)風疹 未接種の男性が流行の中心 妊娠時の感染、胎児に障害
北國新聞(朝刊)2018年10月21日付

風疹の予防にはワクチン接種が効果的だ
 これから本格的な流行の恐れがあるインフルエンザとともに、気を付けなければならない感染症がある。今年の累積患者数が既に1千人を超えた風疹だ。子どもがかかる昔の病気と思っていると、しっぺ返しを食う可能性がある。特に30〜50代で罹患したことがなく、身近に妊婦がいる男性は十分に警戒しなければならない。

患者、昨年の12倍

 国立感染症研究所によると、7日現在の累積患者数は1103人。これは昨年1年間の12倍近くだ。1千人を超えるのは、2012〜13年以来となる。地域別では東京の362人や千葉の216人、神奈川の132人など首都圏で突出しているが、北陸でも石川が3人、富山が5人、福井が2人と患者は出ている。さらに全国的な感染拡大が懸念される。

 風疹自体は成人がかかっても、3〜7日間を静養すれば発熱や発疹などの症状は治まっていく。しかし、根本匠厚生労働相が閣議後会見で言及するほど、警戒が強まっているのはなぜだろうか。

 「妊婦がかかると、その子どもに障害が起きる可能性がある」。金大医学類非常勤講師でながたクリニック(加賀市)院長の永田理希医師は説明する。具体的には妊娠初期で妊婦が感染し、胎児が先天性風疹症候群(CRS)になると、心臓病や難聴、白内障を起こしてしまう恐れがあるのだ。

 実際、1万6千人を超える患者が出た12〜13年の流行では、45人のCRSが報告されており、このうち11人が死亡している。

 冒頭でも触れたように、近年の風疹の流行には、ある特徴がある。今年の累積患者数にもその一端が見える。1103人の性別は男性が916人で、女性が187人。年齢別では1057人が成人の患者で、特に男性は全体の62%を30、40代が占め、50代も目立っている。

 この理由は何か。国内では、1977年8月から1995年3月まで女子中学生のみが定期接種の対象だった。特に男性のうち、1978年度以前に生まれた人は定期接種を全く受けておらず、感染する可能性がある。

 さらに、1990年4月1日以前に生まれた人で接種した人も注意が必要になる。1回のみの接種であれば、感染を避けるだけの免疫力が維持されていない恐れがある。さらに厚労省によると、妊娠期には免疫力が下がることもあり、女性も警戒しなければならない。

今からでもワクチン

 最も有効な対策はかからないこと。つまり、今からでも通算で2回、ワクチンを接種するのがよい。永田医師は風疹の感染力がインフルエンザよりも高い一方で、症状が出にくい人もおり、自覚がないうちに、ウイルスを広めてしまうと指摘。「自分自身に加え、身近な人を守るためにも、北陸で本格的な流行が起きる前に、ワクチンを接種するのが望ましい」と強調する。

 世の中には恐ろしい病気がたくさんある。その中で、風疹やインフルエンザはワクチンという予防策を講じることができる病気だ。かかったときのリスクを考えて、事前に手を打つことが一番の得策になる。



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