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第71部・やってみよう「眠活」

(2291)子どもの睡眠不足 自己肯定感なくイライラ 肥満と関連、初潮早く
北國新聞(朝刊)2018年11月04日付

スマートフォンの長時間使用も睡眠不足を招きかねない
 日本人の平均睡眠時間が年々減り、主要国で最短となったと前回紹介した。睡眠不足が懸念されるのは大人だけではない。「寝る子は育つ」と昔から言われるが、深夜のコンビニや飲食店で小さな子どもを見掛けたことがある人も少なくないだろう。専門家は「子どもの眠る時間が減ると、心の成長に影響を及ぼす可能性がある」と警鐘を鳴らす。

 実際、子どもの睡眠時間はどのくらい減っているのか。

30年で40分減

 文部科学省によると、小学生の平均睡眠時間は1970年に9時間23分だったが、2000年に8時間43分となった。文科省を中心に「早寝、早起き、朝ごはん」を訴える運動がスタートし、近年には改善傾向が見られるものの、依然として睡眠時間は短い。

 金沢医科大睡眠医学センター長の堀有行医師も「起床時間に大きな変化はないが、子どもたちの寝る時間は70年代と比較して明らかに遅いままだ」と強調する。その上で、睡眠時間が短いと、心身にも影響が出てくるとする。

 文科省の調査では、就寝時刻で自己肯定感に変化がみられる。「自分のことが好きか」との質問に「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答した子どもは午後9〜10時に眠る場合には、45・7%になるが、午前1時以降では、30・0%にとどまる。

 逆に「イライラを感じるか」に「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と答える子どもは、午後9〜10時は29・0%だが、午前1時以降では47・5%になってしまう。

 堀医師によると、睡眠不足が重なったり、昼夜の生活が逆転したりすると、脳内の神経伝達物質の一つである「セロトニン」が少なくなる。この物質は脳の活動を穏やかにする。反面、少なくなると、うつ状態の原因になるとされる。

 堀医師によると、眠る時間が足りない子どもには「学校にいきたくない」「集中して勉強できない」と話すケースもあり、「学力低下だけでなく、不登校の原因につながりかねない」と危機感を示す。

 さらに体への影響を及ぼす。睡眠不足や不規則な生活が、脳の発達や肥満に関連すると指摘する調査結果がある。女子の場合、睡眠時間が短いと初潮を迎える時期が早くなるとの報告もある。

 堀医師は「やはり規則正しい生活としっかりした睡眠が欠かせない」と話す。夜更かししないのは当然として、就寝、起床の時間を決めて睡眠を習慣づけることが欠かせない。前述のセロトニンをしっかり確保するには、太陽の光を浴び、親子のスキンシップや運動、朝食を抜かないようにすることが大切になる。

親の背中見る

 加えて堀医師は「『早く寝なさい』と言うだけではだめだ」と強調する。子どもは親の背中を見て大きくなるだけに、生活習慣も似通ってくる。「いつまで起きてるんだ」としかる一方、親自身が夜遅くまでテレビを見たり、スマートフォンを触ったりしていれば、意味がない。堀医師は「親が『さあ寝よう』と声を掛けるのがよい。子どもの生活習慣のためにも、親自身が適切な睡眠を確保することが欠かせない」と話す。

 子どもの睡眠時間を守ることは、子ども自身はもちろん、家族全体の生活リズムを整えることにもつながる。



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