北國健康生きがい支援機構

医療記事特集
丈夫がいいね
トップページ > 医療記事特集

医療記事特集
丈夫がいいね

第71部・やってみよう「眠活」

(2295)不眠の原因 夜ではなく「朝スマホ」 強い光がメラトニン抑え
北國新聞(朝刊)2018年11月18日付

夜遅くまでスマホを使い続けていると、睡眠に影響を与える
 就寝や起床の時間が毎日違うなど、睡眠のリズムにばらつきがあると、不眠を招く。前回紹介した通り、寝酒も眠りを妨げるが、要因となり得るものは、他にもある。専門家が近年、注意を呼び掛けるのは、寝る前にスマートフォンやパソコンを触ること。心地よい眠りにつながる活動「眠活」のためには「朝スマホ」が望ましい。

「起きられない」

 富山のある女子高生。夏休みをきっかけに夜更かしが習慣化した。寝付きが悪くなり、枕元のスマホに手が伸びる。朝起きられなくなり、日中にはひどい眠気に襲われるようになった。「どうしたらいいのか分からない」。親に付き添われて病院を訪れ、夜更けのスマホが不眠を悪化させていると医師に指摘された。

 「眠れなくてスマホ。スマホを使って眠れない。この悪循環に陥ってしまう。強い光が不眠を招く恐れがある」。雨晴クリニック(高岡市)副院長の坪田聡医師(金沢市在住)は警戒感を示す。

 では、なぜ、夜に浴びる強い光が悪影響をもたらすのか。関係しているのは、脳内の物質「メラトニン」だ。

 人間を眠りに誘うのは大きく分けて、二つのことが関与している。一つは、疲労がたまることによって、睡眠欲求が高まり眠気を誘う。

 もう一つが以前に取り上げた、体内時計の機能を果たす「視交叉上核(しこうさじょうかく)」。メラトニンはこの体内時計で重要な役割を果たしている。

 メラトニンには、睡眠を促す働きがあるとされる。朝、太陽光を浴びると、脳内での分泌が抑えられる。その後、起床から14〜16時間を経て、再び脳内での分泌が始まる。

 しかし、前述の女子高生のように、夜更かしをし、スマホの画面を見ていると、強い光によって、脳は夜が来ていないと判断し、メラトニンの分泌が抑えられしまう。結果的に睡眠欲求によって眠ったとしても、眠りの質が低下したり、睡眠のリズムを狂わせたりする可能性もある。

 「画面の光量を抑えれば、大丈夫では」と考える人もいるだろうが、坪田医師は注意を促す。「画面が小さい分だけ注視してしまい、眠気を飛ばしてしまう」。強い光という意味では、コンビニエンスストアやパチンコ店の光も睡眠の直前はよくない。

 眠る前の30分〜1時間を目安にスマホやパソコンに加えて、同じように画面から強い光を放つゲーム機に触らない方が望ましい。が、「どうしても我慢できない」という人もいるだろう。

目覚めをすっきり

 そのような人向けに坪田医師は「朝スマホ」を提唱する。

狙いは、強い光を逆に利用してメラトニンの分泌を抑え、すっきりした目覚めにつなげるのだ。坪田医師は「丸一日、活動して疲れ切った脳よりも、目覚めたばかりで元気な状態の脳がよい判断ができるはず」とし、スマホやパソコンを使った仕事上のやりとりも朝の方が望ましいとする。

 寝る前のスマホやパソコンを控え、むしろ、朝に触る時間を設ける。「一日の時間割を変える。使用時間は同じでも、睡眠の効果を高め、仕事の質も上がる」と坪田医師は話す。

 前回紹介したアルコールやスマートフォンは生活を楽しく、便利にするが、使い方を間違えると、睡眠に悪影響をもたらす恐れがある。うまく使いこなすことで「眠活」につなげたい。



Copyright (C); THE HOKKOKU SHIMBUN All Rights Reserved.
〒920-8588 石川県金沢市南町2番1号 北國新聞社広報部 Maill : info@kenko-ikigai.com