top 応急手当Q&A 休日当番医 リンク集 お問い合わせ
北國健康生きがい支援機構

医療記事特集
丈夫がいいね
トップページ > 医療記事特集

医療記事特集
丈夫がいいね

第71部・やってみよう「眠活」

(2298)睡眠時無呼吸症候群(1) 生活習慣と深い関わり 肥満が一因、自覚なく
北國新聞(朝刊)2018年12月01日付

睡眠時無呼吸症候群について説明する中積医師=金沢市立病院
 眠りに関連して知られている病気の一つに、睡眠時無呼吸症候群(SAS)がある。睡眠時に呼吸が止まり、大きないびきといった症状が出るが、自覚は難しい。そしてSASは高血圧や糖尿病など生活習慣病と深く関わり、悪循環の恐れがある。

 「新たな診断基準では、要件の一つに、生活習慣病が入っている。もはや、SASは生活習慣病の一つともいえる」。金大医学類臨床教授で金沢市立病院の中積泰人呼吸器内科長はこう語る。

 従来の国際分類では▽日中の眠気や熟眠感の欠如、倦怠感▽睡眠中の窒息感やあえぎ、激しいいびき−などともに、睡眠1時間当たり5回以上の閉塞(へいそく)型無呼吸がある、もしくは1時間に15回以上の閉塞型無呼吸があると、閉塞性のSASと診断されていた。

 しかし、現在は前述の基準に「高血圧、気分障害、認知機能障害、冠動脈流疾患、脳血管障害、うっ血性心不全、心房細動、糖尿病」が加わった。

高血圧に糖尿病

 金沢市内の50代の男性会社員は日中の睡魔に悩んでいた。特に運転中がひどく、2度の交通事故、3度のニアミスを経験した。妻から「いびきがうるさい」と注意されて受診。1時間当たり71回の無呼吸や低酸素が確認され、重症のSASと診断された。

 人間は無呼吸になると、脳が覚醒する。男性は夜の眠りの質が低下し、日中の睡魔を招いていた。さらに男性は高血圧や脂肪肝、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などとも診断された。

 ではこれらの症状と、SASはどう関連するのか。二つをつなぐのは肥満だ。

 高血圧や脂肪肝、糖尿病などは太りすぎが原因の一つになる。そしてSASにはいくつかのタイプがあり、このうち最も多い「閉塞型」はのどに近い部分の気道が脂肪によって狭くなることで生じる。

 中積医師は「体形は20代前半でほぼ完成する。それ以降に増えた体重は脂肪の可能性が大きい」と話す。前述の男性は30代半ばから太り始め、現在100キロ超。振り返れば、太り始めたころからいびきも大きくなっていた。

 さらに、生活習慣病とSASの併発は、悪循環も招く。本来、人間の血圧は睡眠時に低くなるが、無呼吸で覚醒していると下がらないままになってしまう。加えて、低酸素や胸腔内圧の変化、動脈硬化の悪化、代謝異常、臓器への酸化ストレスも起こす。SASになると、健康時と比べて病気のリスクが不整脈や脳卒中で2〜4倍、心筋梗塞や糖尿病で2、3倍になるとのデータもある。

機器を着けて就寝

 一刻も早くSASに対処するには、CPAPと呼ばれる機器を就寝時に着ける。鼻に装着したマスクを通じて鼻腔から気道にかけた部位に空気の圧力を掛け、強制的に気道がふさがらないようにするのだ。前述の男性は、これで昼間の睡魔から解放された。

 ただ望ましいのは、痩せること。気道を狭くしている脂肪を減らし、無呼吸を解消する。簡単ではないが、CPAPの使用と合わせて取り組まなければならない。中積医師は「良い睡眠には、生活の見直しが必要だ。そして睡眠は運動、栄養と同じく健康に欠かせない要素だ」と強調する。

 肥満が一因となるSAS。しかし、見た目に太っていなくても、発症することがある。次回はこの事例を紹介する。



Copyright (C); THE HOKKOKU SHIMBUN All Rights Reserved.
〒920-8588 石川県金沢市南町2番1号 北國新聞社広報部 Maill : info@kenko-ikigai.com