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第71部・やってみよう「眠活」

(2299)睡眠時無呼吸症候群(2) 太っていなくても発祥 「身近な病気と認識を」
北國新聞(朝刊)2018年12月02日付

CPAPについて説明する中積医師=金沢市立病院
 快眠の邪魔をする睡眠時無呼吸症候群(SAS)は生活習慣病とリンクし、肥満が原因の一つになると前回紹介した。しかし、見た目には標準体形でも、SASを引き起こすことがある。

 金沢市内に住む19歳の女子大生は、家族から「いびきがうるさい」と言われた。起床時に口の渇きを感じたり、日中に眠気を感じたりし、週に2日の昼寝。「どうしたらいいんだろう」。悩んだ末に家族の勧めで病院を訪れたところ、SASと診断された。

ごく普通の女の子

 父親は太り気味でいびきが大きくSASのようだが、女子大生は見た目には、太っていない。身長(メートル)の二乗で体重(`)を、割って算出する「体格指数」(BMI)でも、肥満とされる30以上から程遠い22。女子大生は思わず「お父さんみたいに、おじさんの病気だと思っていたのに」と漏らした。

 「標準体形なのにSAS。しかし、この女性にはあごが小さいという特徴があった」。金大医学類臨床教授で、金沢市立病院の中積泰人呼吸器内科長はこう振り返る。

 小さなあごに小さな顔。憧れる女性もいるだろうが、あごが小さいと、それに伴ってのど周辺の気道をはじめ、その他の器官も小さなつくりとなる。つまり舌は収まりにくく、気道が狭くなる。

 そもそも日本人を含むアジア人は、欧米人と比べてあごが小さく、気道が狭い傾向にある。しかも日本人は食生活の変化に伴って、以前よりあごが小さくなっているとの指摘もある。女子大生は標準体形だが、舌や気道についた少しの脂肪でも、空気の通り道がふさがった。

 「見た目は普通で内臓脂肪の多い『隠れ肥満』の人も注意が必要だ」と中積医師は語る。さらに肥満とは関係なくSASを招く例がある。

 金沢市内に住む50代の女性は、下垂体の腫瘍によって成長期を過ぎても成長ホルモンが多く分泌されてしまう末端肥大症になった。指先や鼻など体の各部位の先端が巨大化し、舌も肥大。周囲から指摘されるいびきと、睡魔に徐々に悩まされるようになり、病院に駆け込んだところ、SASと分かった。

 ただ、前回も説明した通り、SASは適切な対処をすれば改善できる。「1時間に20回以上の無呼吸」という条件でないと保険適用がされないものの、空気の圧力をかけることでのどがふさがった状態を解消する機器「CPAP」を用いることができる。また、軽症であれば、マウスピースでいびきや眠りの質の低下を避けることも期待できる。前述の女性2人もCPAPで快眠できるようになった。

軽んじるのが危険

 中積医師がむしろ、注意を呼び掛けるのは、SASを軽んじて適切な対策を取らないことだ。SASをほっておけば、他の病気を悪化させるだけでなく、その大きないびきが周囲の人の安眠を妨害する。中積医師は「周りの人は無呼吸や大きないびきに気付いたら指摘してあげる。指摘された方は、早く専門家に相談すべきだ」と繰り返し話す。

 SASの患者は国内で重症で300万人と推測され、潜在的なケースは2千万人以上ともいわれる。自分では気付きにくい難点もあるだけに、頭に入れておくことが、快適な睡眠を引き出す活動「眠活」の第一歩になる。



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