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第71部・やってみよう「眠活」

(2303)ナルコレプシー 耐え難い眠気と居眠り 服薬が有効、周囲の理解も
北國新聞(朝刊)2018年12月16日付

ナルコレプシーでは、耐え難い眠気と居眠りに悩まされる
 不眠や睡眠不足に悩む人は少なくないだろう。一方、会議や食事、試験中など眠ってはいけない状況で眠ってしまう人もいる。「ナルコレプシー」はその代表格であり、耐え難い眠気と居眠りに悩まされる。一生付き合わなければならないこともあるだけに適切な治療とともに、周囲の理解が重要になる。

笑って膝が抜ける

 金沢市内に住む20代の男性は子どものころから、十分睡眠をとっているのに、眠気があり、突然眠りに陥る症状に悩んでいた。症状は突然で、自分の力で制御できない。金縛りのような症状が起きることもある。加えて大笑いしたり、怒ったりするなど感情をはっきり出すと、突然膝ががくんと抜けたようになる状態にも襲われる。

 仮眠をとっても、数時間たつと再び睡魔がやってくる。さらにつらいのは、周囲に奇異の目で見られ「ただ、サボっているだけでしょ」「夜更かししているからだ」とあらぬ事を言われること。「このままでは、暮らしていけない」。意を決して病院を訪れると、「ナルコレプシー」と診断された。

 「その眠りは突然やってくる。しかし、治療で改善することはできる」。金大医学類臨床教授で金沢市立病院呼吸器内科長の中積泰人医師はこう話す。

 中積医師によると、ナルコレプシーの基本的な症状は耐え難い眠気と居眠りを繰り返すことで、重症例では眠気を自覚しないうちに眠り込んでしまう。突然、膝が抜けたようになるのも、ナルコレプシーの特徴的な症状の一つで「カタプレキシー」と呼ばれる。情動脱力発作とも言われており、感情の高ぶりで本人の意思に関わらず筋肉の脱力が起きるのだ。

 ナルコレプシーがなぜ引き起こされるのか詳しい原因は分かっていない。ただ、前述のカタプレキシーを伴うナルコレプシーの場合には、覚醒状態を維持するための物質「オレキシン」が少なくなっているとされている。

 診断には、日中、2時間ごとに4、5回寝る体勢をとって寝付くまでの時間を調べる「睡眠ポリグラフ検査」を行う。保険適用外だが、髄液内に含まれるオレキシンの量を調べることもある。

睡眠衛生も重要

 病気と分かれば、治療が必要になる。前述の通り根治こそ難しいが、眠気を抑えることは可能だ。医師の処方に基づき、覚醒を維持するための薬を1日1回、服用すればよい。冒頭の男性も薬を飲むことで、日中の眠りから解放された。加えて、睡眠時間を十分確保した上で寝る前のカフェインやアルコール、タバコを控える、朝食を欠かさずにとるなど「睡眠衛生」の改善にも取り組んでいる。

 男性は一定時間、眠気が生じないことを証明するなど規定の手続きに沿って、運転免許も取得できた。病気になっても、適切な治療をきちんと受ければ、社会生活は十分に送れる。ただ、中積医師は「そのためにも家族や友人、同僚が病気を理解することも欠かせない」と話す。心無い言葉が患者を苦しめて、改善を遠ざけてしまう。

 睡眠の悩みを解決するには、長い時間が必要なこともある。周囲の支えは患者の力になる。



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