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第72部・体に優しい栄養学

(2317)脂質 加工肉食べ過ぎで動脈硬化 若い頃より一口減らす
北國新聞(朝刊)2019年02月03日付

脂質を取りすぎるリスクを説明する金森医師=金大附属病院
 脂質は炭水化物と同じく、体を動かすために必要なエネルギー源である。少量でも高いカロリーで摂取量が増えれば、その分だけ体の負担になる。特に脂質の一つであるコレステロールの過剰摂取は知らず知らずのうちに血管を痛め、心筋梗塞や脳梗塞になる恐れがある。

 「年齢を重ねても、動物性で酸化した脂質を取りすぎる生活を送るのはリスクが高い」。金大附属病院内分泌・代謝内科の金森岳広医師はこう語る。

ベーコンやソーセージ

 能登地区の50代の会社員男性。子どもの頃に食卓に並んでいたのが魚中心だった反動なのか、大人になってからの食事は肉食が中心になった。焼き肉やステーキを好み、ベーコンやソーセージなど、加工した肉も大好物。外食の際には、主食とは別に注文して食べるほどだった。

 健康診断で肥満を指摘された上、特にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の数値が高すぎると助言された。医師からは「何もしなければ、動脈硬化を起こしかねない」と警告された。

 脂質の一つであるコレステロールは本来、体内にある細胞膜の基になる。これを全身に運ぶのがLDLコレステロール、余った分を回収するのがHDLコレステロールである。HDLコレステロールも血液検査の数値項目によく登場し、善玉コレステロールとして知られている。

 そのため、脂質を取りすぎれば、血管内でこの悪玉コレステロールが必要以上に増えてしまう。さらに金森医師は「ベーコンなど加工肉に含まれる酸化したコレステロールは『粥状(じゅくじょう)硬化』を引き起こしかねない」と強調する。

 粥状硬化とは何か。体内には、マクロファージと呼ばれ、異物を攻撃する役割を持つ細胞がある。マクロファージは酸化したコレステロールを異物として取り込み、血管内にたまっていく。これを繰り返すと、血管内がかゆのようにドロドロした状態になる。「冠動脈で起きれば心筋梗塞、脳血管で起きれば脳梗塞の原因となる」と金森医師は説明する。

 とは言っても、脂質は体内へのビタミン吸収を助ける役割もあり、体には必要不可欠だ。摂取の目安はどのぐらいなのか。日本糖尿病学会は、糖尿病時の一日の摂取カロリーのうち炭水化物を50〜60%、タンパク質を20%以下とし、残りを脂質とするよう勧めているが、一日の食事に含まれる脂質、コレステロールの量を実際に把握するのは難しい。

伝統食、油分少なく

 金森医師は年齢とともに脂質を抑えるよう心掛けることが大切だとし「例えば、脂質の多い洋食であれば、若い頃より一口、二口減らすという工夫はできる。『ご飯に一汁二菜』といった伝統的な日本食は油分が元来少ない。より食生活に取り入れてほしい」と話す。

 一方、欧州ではオリーブ油やナッツなど伝統的な食材を使った「地中海食」が血圧、血糖に良い結果をもたらすとの論文も発表されている。金森医師は「一概には言えないものの、その土地で長く食べられている食事の知恵を見詰め直すことは大切だ」と話す。

 腹八分目は先人からの教え。年齢を重ねれば重ねるほど、脂質は若い頃より控えたい。



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