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第73部・目指そう適正体重

(2325)痩せに注意 「見た目」に惑わされない 高齢者は体脂肪率高く
北國新聞(朝刊)2019年03月03日付

過剰な減量や高齢者の痩せに注意を呼び掛ける竹下助教=金大附属病院
 スリムな体形に憧れる人は多い。冬から春へ、薄着になるにつれて気になる機会は増える。しかし、過度なダイエットで適正体重を大きく下回ると、体を壊してしまいかねない。

 石川県内の女子高生は冬休み明けに「ちょっと、二の腕太くない?」と、同級生に言われたのが深く心に突き刺さった。

 女子高生の身長は155センチで、体重は52キロだった。体格指数(BMI)は標準の「22」でダイエットの必要はなかったが、その夜から食事をほとんど取らず、口にするのは、水と紅茶だけ。帰宅してからランニングし、自室にこもって筋力トレーニングを繰り返した。

肌荒れ、生理不順

 結果として体重は40キロを切ったが、肌荒れがひどくなり、生理不順が起きるようになった。両親が心配して声を掛けると、女子高生は「まだ太っている。もっと痩せなきゃ」と繰り返すばかり。ついには食事を取ろうとしても、体が受け付けなくなり、入院することになった。現在、心身の調子を取り戻そうと内科とともに心療内科に通院しているという。

 金大附属病院内分泌・代謝内科の竹下有美枝助教は「肥満の人は標準のBMI22になることで健康を目指せる。だからといって標準体形の人が過剰に痩せるのは、健康を阻害する」と語る。

 栄養を取らずに急激なダイエットを続けると、女子高生のような症状があらわれるほか、肝臓をはじめ内臓の持つ代謝機能に異常があらわれることがある。

 竹下助教は「女の子は体形を気にしがち。子どもが体重に神経質になっているようであれば、保護者が『気にしすぎ』『今がちょうど健康的だよ』と声を掛けてほしい」と話す。

 若者の過剰なダイエットによる「痩せ」の一方で、痩せているように見えても知らず知らずのうち体脂肪率が上がっている場合があるのが高齢者だ。

70代女性で30%近く

 竹下助教によると、特に女性の場合、50代では体脂肪率が25%前後だったのに、70代で30%近くなるケースがあるとし、「体の組成は、年代が高くなるほど、骨量や筋肉量が少なくなり、体脂肪率が高くなる傾向にある」と指摘する。

 金沢市内に住む70代の女性は、夫の死後、自分一人分の食事を作るのが面倒になった。食欲をあまり感じなくなったこともあって、食事内容はご飯とみそ汁と野菜を炊いたものぐらいになり、体重も減少していった。以前は夫と散歩するのが日課だったが、自宅を出るのもおっくうになった。徐々に痩せ形となっていたが、ある日、玄関先で転んで足の骨を折り、病院に行くと、医師から骨密度の低さとともに、体脂肪率の高さを示されて驚いた。

 食べるだけでも体重は維持できるが、それは体内脂肪を増やすだけの恐れがある。竹下助教は「タンパク質を含めて3食を欠かさず取って、適度な運動を続けることが筋肉の維持のために必要」と語った。

 「見た目」を追求して過度なダイエットをしても、「見た目」で痩せていても、健康にはつながらないのである。



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