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(2334)胃がんと闘う 末期の患者でも劇的な効果 保険適用で阻害薬
北國新聞(朝刊)2019年04月06日付

末期の胃がん患者への阻害薬を説明する伏田臨床教授=金大附属病院
 石川をはじめ、日本各地で進化を遂げる免疫治療の対象となるがんは多岐にわたる。金大附属病院では消化器内科が肝臓がんを対象に研究を進める一方、胃腸外科が免疫チェックポイント阻害薬を末期の胃がん患者に保険適用で投与している。手の施しようがないとされた患者でも大きな効果を挙げている。

 「全ての患者で効くわけではないが、免疫治療は胃がんでも効果が確認されている」。こう話すのは、同病院胃腸外科の伏田幸夫臨床教授。臨床での治療に加え、免疫チェックポイント阻害薬がどんな患者に効くかの基礎研究にも力を入れている。

オプジーボを活用

 金大附属病院で胃がんの治療に用いられている免疫チェックポイント阻害薬は、昨年ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑京大特別教授の研究によって生まれた「オプジーボ」(ニボルマブ)だ。

 胃がんに対する国際的臨床試験では、画像で腫瘍が小さくなったことが確認されたのが約12%となる。著しく縮小はしなかったが、現状維持もしくは腫瘍の成長を緩やかにしたケースを含めると「約40%の患者で、病勢をコントロールできた」と伏田臨床教授は強調する。2017年以降、金大附属病院で胃がんの患者に投与されたのは30人で、そのうち3人が劇的に効果を上げている。

 高齢者の男性は末期の胃がんで、他の部位への転移がみられたほか、腫瘍が繊維化し種を播(ま)いたような状態になる腹膜播種(はしゅ)を引き起こしていた。外科的治療はできず、抗がん剤治療でも大きな効果は期待できない。「余命は1年以内の可能性がある」とされた。ところが、オプジーボの投与後、腫瘍は徐々に小さくなった。8カ月後には、腫瘍は完全に消え、男性はいまも元気に暮らしている。

 中高年の女性は1度目の胃がんは外科的治療で克服したが、2年後に再発した。薬を変えながら、抗がん剤治療を続けていたが、ついに打つべき薬がなくなった。「もう手はない」とされ、余命は1年半以内とみられたが、オプジーボによって腫瘍は縮小していった。治療開始から6カ月には、男性と同じようにがんは消え、現在は日常生活を取り戻した。

 胃がんは、数あるがんの中でも、内視鏡やバリウムを使った検査によって、早期に発見することができる。伏田臨床教授は「早い段階で治療を始めれば、よほど特殊なケースでない限り、ほぼ100%治すことができる」と語る。

ステージ上がり厄介に

 ただ、胃がんはステージが上がると途端に厄介になる。前述の男性や女性のように、切除不能・再発胃がん患者の余命は1年半とされ、治療が難しいがんになる。抗がん剤で一度がんを小さくし、タイミングを見計らって腫瘍を摘出する「コンバージョン手術」もあるが、いつメスを入れるかを判断するのが難しい。

 伏田臨床教授は「だからこそ劇的に、末期がんを治療できる可能性がある免疫治療が重要になる」と語る。課題は、およそ10人に1人しか効果がみられないことだ。どんな場合に効果があるのか。見極めるための基礎研究も金大附属病院で進められている。



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