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第75部・心を整える

(2341)発達障害 理解と根気で長所伸ばす 具体的な表現で対話
北國新聞(朝刊)2019年04月28日付

 落ち着きがなく、授業中に立ち上がる。教科書の文字を追うのが苦手で音読がうまくできない。学校現場で指摘されるこれらの症状は発達障害に起因していることがある。専門医は、発達障害のある子どもは他者と違いがあっても、劣っているわけではないとする。成長には周囲の理解と根気よく支えることが必要である。

文科省調査で7.7%

 「文部科学省の調査では、発達障害の可能性がある子どもは7・7%ともいわれる」と語るのは、金大附属病院神経科精神科の次期教授である、菊知充金大子どものこころ発達研究センター教授だ。

 発達障害は複雑な症状が併存しているが、大きく分けると三つのうちのいずれかが問題になっていることが多い。

 自閉症スペクトラム障害には、場の空気を読むのが苦手で、対人関係を柔軟につくるのが難しいなどがある。二つ目は、注意欠如や多動性障害だ。不注意型は計画的に物事をこなすのが苦手、多動性・衝動型は前述のようにじっとしていることが難しい例がある。三つ目は学習障害(LD)である。知的な成長の遅れがなくても、「読む」「書く」「計算する」のうち、一つまたは複数が極端に困難という症状がある。

 ある男子児童は知的能力が高く、勉強が得意だったが、他者の気持ちを想像したり、冗談を理解したりするのが苦手で、周囲から浮いてしまうことがあった。

 転校で環境が変わり、苦手な部分が目立つように。「勉強できるのがいけないのかな」と誤解し、勉強をわざとやらないなど、不必要な苦労を繰り返した。不登校になりかけたが、一人の友人ができたことで、心の安定が保たれた。

 男児を例に菊知教授が繰り返すのは「劣っているわけではない」ということだ。例えば、注意欠如の場合、一つのことにこだわって集中できる場合がある。じっとしていられないのは半面、行動力があるともいえる。菊知教授は「周囲が苦手なことを理解し、得意な面を伸ばせれば、社会に適応できるケースは多い」と語る。

 発達障害のある子どもの場合、人の様子を見て学ぶ、まねるという行為が苦手で、抽象的な説明が理解できないことがある。

 このため「服装をきちんとしなさい」ではなく「シャツのすそをズボンに入れよう」と具体的な表現で対話するとよい。不安感が先行する場合には、いつ活動が終わるのかなど計画を前もって説明するのも大切で「根気と手間が欠かせない」と菊知教授は強調する。

支援なければ重度化

 理解と支えがなければ、子どもは自己肯定感を失い、治療が難しい重度のひきこもりやうつ病を招く事例がある。さらに発達障害に関する正しい知識がなければ、親の子どもへの前向きな感情が少なくなっていくとの報告がある。

 子ども時代に「何で。何で」を繰り返して放校になったエジソンは、母親の支えでその後の道が開かれたとの逸話がある。発達障害の子どもの成長は、環境を整えることと大人の理解にかかっている。



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