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第75部・心を整える

(2342)子どもの睡眠 心の発達への影響探る パターンが大切に
北國新聞(朝刊)2019年05月04日付

睡眠と心の発達の関連性について説明する吉村准教授=金大附属病院
 睡眠は、心の平穏を保つために欠かせない。特に、成長期の子どもにとって睡眠は、脳や心の成長との関係が深いとされる。生まれつき、脳の機能に違いがある「発達障害」を含めて、さらに関連を解き明かし、ライフスタイルに考慮しながら睡眠を取れるよう促していこうと、金大は他大学と連携して研究を進めている。

 「言葉の出方の違いや、模倣が得意かどうかなど、睡眠と脳や心の成長との関連を調べる研究が始まっている」。こう説明するのは、金大人間社会研究域学校教育系の吉村優子准教授だ。吉村准教授は、子どものこころの発達研究センターで、言語聴覚士としても発達障害の子どもたちと向き合っている。

金大、北大と共同研究

 研究は、北海道大と共同で取り組んでいる。1歳半と、5、6歳の子どもを対象に、加速度計を装着。動いていない時間を休んでいる時間ととらえ、保護者の観察を含めて、眠る時間と、成長の関係を調べている。

 研究では、昼寝と、夜の寝付きとの関係も調べている。吉村准教授によると、データを通じて大人でもそうであるように、昼寝が長すぎたり、昼寝の時間が遅すぎたりすると、夜の就寝時間が遅くなる傾向にあるという。

 「睡眠不足やバランスが崩れたりすることは、子どもの心にも影響する」と吉村准教授は指摘する。

 成長期に十分な睡眠を取ることは、脳活動や神経細胞の発達につながり、心理面の成長にも影響を及ぼすとされている。

 睡眠に課題がある場合、イライラしたり、落ち着きがなくなったりすることがある。これが日常生活に著しく影響するようになれば、大人と同じように心の安定感を失い、精神疾患を招く恐れがある。

 また、コミュニケーション力や注意力の低下、じっとしていられないなどの症状は、発達障害の一つである、注意欠如・多動性障害(ADHD)でみられる症状であり、診断が難しくなる。

 さらに、発達障害のある子どもの場合、寝付きが悪かったり、眠りが浅いために短いサイクルで目が覚めたりする事例もある。吉村准教授は「睡眠と発達や心の関係は『卵が先か鶏が先か』の部分があるが、睡眠面に不安があると、心理面にも不安が生じている可能性はある」と説明する。

親の睡眠習慣とリンク

 では、親をはじめ家族は子どもの睡眠をどのように見守るのが良いのか。吉村准教授が提案するのが各家庭の生活スタイルに合わせながら、睡眠のパターンをきちんとつくるよう、心掛けていくことだ。昼寝の時刻や時間にあまりばらつきをつくらないようにし、夜は決まった時刻に布団に入るよう促す。吉村准教授は「親の睡眠と子どもの睡眠はリンクしやすい。保護者自身が睡眠習慣を気に掛ける必要がある」と語る。

 一方で、極端に寝付きが悪かったり、短時間で目が覚めたりする症状が目立つようなら、幼児向けの健診での相談や、小児科を受診するのが良い。

 「寝る子は育つ」は身体面だけを意味するのではないのだ。



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