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第75部・心を整える

(2343)不登校 急がず理由知り、意思尊重 不安障害のケースも       
北國新聞(朝刊)2019年05月05日付

 小中高を問わず大きな課題となっている不登校。長期休みの後で増える傾向にあると指摘され、今回の大型連休後にも増加しないか不安視する向きがある。きっかけこそ子どもによって違うが、心の病が関わっているケースがある。

 「細かなところに気が付く子どもほど、心配事が増えて登校が怖くなることがある。不安障害と診断される場合もある」。金大附属病院子どものこころ診療科の紺谷恵子医師は説明する。

気がかりが支障に

 不安障害とは、ごく簡単に言えば過剰に神経質で不安が強い状態になり、些細(ささい)なことが非常に気になって日常生活にも支障を来すようになったことを示す。

 ある女子児童はもともと細かなことに目が届き、他人にもよく気配りができる子どもだった。真面目で先生にも褒められる一方で、人前で失敗をしたり恥をかいたりすることへの恐怖が強いため、発表をしたり意見を述べることが苦手だった。人の注目を浴びるような場面になると、胸がドキドキして手が震えて、顔が赤くなった。

 あるとき、体調が悪かったが、なかなか言い出せず、教室で嘔吐(おうと)してしまった。本人は驚くのと同時に恥ずかしくなり、ショックを受けた。その後数日間は体調不良で学校を休んだが、休んでいる間も「みんなにどう思われたかな」「また吐いたらどうしよう」と不安が強くなり、体調が戻っても嘔吐への恐怖で食事量が増えず、登校を再開できなくなった。

神経質には良い面も

 紺谷医師は「神経質な気質自体は、良い面でもある」と話す。不安は危険を避け、備えるためのアラームで、誰にでもある。ただ、危険でないものに対してまでアラームが鳴りっぱなしになることが問題なのだ。「ちょっと気にし過ぎ」な傾向が強い子どもの場合、「○○しなければ駄目」「○○であるべき」という言葉で不安があおられてしまうことがある。

 「誰でも完璧にはできないね」「サボりたいときだってある」など緊張感を緩めるような働き掛けが肝心だ。「自分の不安や周りへの不満など、そういった感情も『自然なもの』として扱い、認めていくことで、コミュニケーションが豊かになる」と紺谷医師は助言する。

 長期の不登校や引きこもりの子どもたちが入院する、千葉県市川市の国府台病院に勤務経験がある紺谷医師によると、不登校の背後にはさまざまな精神疾患や環境の問題がみられるという。

 環境調整が必要な発達障害(自閉スペクトラム症)や、薬物療法を必要とする疾患の場合がある。紺谷医師は不登校は原因が非常に多様であり、「『こうすれば良い』というものはない」と説明する。登校できないことに後ろめたさを感じる子どもも多く、本人が何に困っているのか、焦らず話し合っていく姿勢が周囲の大人に求められる。

 その上で、子どもが「家から出たい」となったとき、本人と話し合って保健室や適応指導教室などさまざまな施設を利用するのが大切になる。紺谷医師は「うまくいかないときはまた話し合い、周囲に相談し、助けを借りながら柔軟に対応していくことが望ましい」と語る。根気よく、手間を惜しまず、が肝要だ。



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