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第75部・心を整える

(2348)ネットゲーム障害 行き過ぎれば周囲に危害 認知行動療法で改善
北國新聞(朝刊)2019年05月25日付

 インターネットは仕事や遊びなど現代社会に欠かすことのできない道具だ。しかし、子どもの場合、片時も離れられないほどネットゲームにのめり込み、生活に障害をきたす状態に陥ることがある。心配する家族の制止を聞かず、相手に危害を加えてまで使用するケースもあり、専門家は慎重な対応が必要とする。

コントロールしがたい

 「専門用語で言えば、行動嗜癖(しへき)。本来は、正常な楽しいはずの活動がコントロールしがたい欲求や衝動によって繰り返され、その結果、個人や他者にとって有害になっている状態だ」と金大附属病院神経科精神科の小野靖樹助教は語る。

 ある少年は、不登校だったこともあり、時間を持て余していた。インターネットでゲームを始めたところ、1日の大半をパソコンやスマートフォンを触って過ごすようになった。

 昼夜逆転の生活を続け、食事も満足に取らないほど、画面にくぎ付けになった少年。体調とともに、ネットゲームに対する高額の課金を心配した保護者がパソコンやスマートフォンを隠すと、イライラが表れ、徐々に暴れるようになった。保護者が説得し、病院を受診したところ、ネットゲームへの過度の依存を指摘された。

 ゲーム障害とは、どのような状態なのか。小野助教によると、▽仕事や学業など社会的な生活に影響が出ている▽ゲームをやめようとしても、自身でコントロールできない▽ゲーム以外の物事に対する興味や趣味の喪失▽なにか問題があっても、ゲームを継続してしまう▽イライラするなど情緒が不安定になる―などの症状に該当すると、ゲーム障害の可能性がある。世界保健機関(WHO)による「国際疾病分類」ではゲーム障害、米国精神医学会ではインターネットゲーム障害と呼ばれている。

 行動嗜癖の中には、ゲームのほかにギャンブルや買い物、アダルトサイトの閲覧などもある。これらの行動嗜癖が起きている際には、脳の前頭葉が機能不全を起こしているため、行動制御に問題が生じているとの指摘もある。

 小野助教は「メリハリをつけて使用できる人がいる一方で、抜け出せなくなる人がいる」と語る。行動嗜癖を含めて依存状態に陥る人の背景には、人間関係をはじめとした悩み事から逃れようとして特定の物質や行動に走るケースのほか、うつ病や発達障害を伴う事例もあるという。

依存の契機に向き合う

 治療に当たっては、ゲームの使用時間や頻度、お金をどのぐらい使っているかなどを書くことによって自省を促すなど「認知行動療法」とともに、依存する契機にも向き合わなければならない。日本以上にネット社会が進むとされる韓国では、合宿を通じてネットから離れる取り組みも行われているという。

 子どもであれば、コントロールできない状態に陥る前に、保護者と「1日1時間以内。寝る前は使わない」など、ルールを決めておくのもよい。小野助教は「行動嗜癖の対象になる行動は身近にある。インターネットにより、さまざまなことが身近になっている現代だからこそ、十分に注意をしておいた方が良い」と話した。



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