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第75部・心を整える

(2351)摂食障害 体形こだわり食事拒む 死に至る場合も 
北國新聞(朝刊)2019年06月02日付

 「痩せたい」と、鬼気迫ったように体形や体重にこだわり、食事を極端に制限する。拒食症(神経性無食欲症)は極端に痩せていく心の病気であり、最悪の場合は死に至る危険性がある。

 ある女子中学生はもともと平均的な身長・体重だったが、小学校高学年の頃から徐々に体重と身長が増えなくなった。12歳で身長146センチ、体重35キロになったものの、中学入学後に厳しい食事制限を始め、28キロまで体重が減少した。体を動かすと息が切れ、授業にも集中できず、すぐ泣き出すなど情緒不安定になったため、両親に連れられて病院を受診した。

 受診時に小学生の頃の成長曲線を確認すると、明らかに小学3年の頃から体重の増えが振るわなくなり、身長も伸びが悪くなっていた。その当時、友達に「足が太い」と言われたことをきっかけに、「こっそりと」朝の食パンを半分にし、おやつも食べないようにしていたと、本人は話す。

 中学に入り急激に痩せが進み、受診時には診察室から検査室まで歩けず、車椅子が必要となっていたが、それでも女の子は「自分が痩せているとは思わない。大丈夫、学校に行けます」と言った。

病気だと気付かず

 拒食症の代表的な症状は(1)ひどく痩せている(2)痩せ願望が強い (3)ボディイメージの歪み(体重や体形の認識の障害)―がある。カロリーや食事の順番にこだわったり、下剤を乱用したりすることもある。金大附属病院子どものこころ診療科の紺谷恵子医師は「自分が病気だと気付いていないところが怖い点」と説明する。特に成長期で発症した場合は、低体重により身長が伸びず二次的に低身長になる場合もある。

 拒食症のきっかけはさまざまだ。外観を気にしてダイエットを始めたところ、痩せることに達成感を覚えて止められなくなる例や、マラソンや新体操など痩せていることが有利なスポーツで成績を上げようとして食事制限がエスカレートする例もある。「不安が強く、ストイックに一生懸命やる子どもほど、悪化してしまうことがある」と紺谷医師は話す。

 治療では、まず低栄養状態の回復が欠かせない。少量の食事を摂ることから始めるが、口から食べることが困難であれば鼻から胃にチューブを入れる経管栄養を行うこともある。

治療への抵抗を除く

 全身状態が安定すると、「なぜ痩せようとしたのか」「学校や家庭で困っていることがあるか」など、治療への抵抗も含めて話し合っていく。「治療後にどんな生活を送りたいのか、何をしたいのか」も聞き、本人が望むような生活をするために、健康を取り戻す必要があることを伝える。体と心の両面からの治療が必要である。

 紺谷医師は「子どもであれば、身長や体重の伸びが悪くなったりと成長曲線が変化することが多い」と指摘する。生命に危険を及ぼす心の病だけに、小さな変化を見逃さないようにしたい。



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