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第75部・心を整える

(2357)リエゾン 専門家5人、入院患者に寄り添う 不眠、不安を取り除く
北國新聞(朝刊)2019年06月23日付

入院患者の対応を話し合うリエゾンチーム=金大附属病院
 「コンサルテーション・リエゾン」という言葉を耳にしたことはあるだろうか。身体面で重い病気、長く付き合う病気になると、不眠やうつ病を招くことがある。病気と闘うには、心を整えることが重要になる。コンサルテーション・リエゾンはその領域で患者を支える取り組みである。金大附属病院は、精神科医ら専門家5人によるチームが患者の心の悩みに寄り添っている。

 「入院期間中に、眠れなかったり不安になったりする方がいる。だから、病気そのものの治療とともに、私たちのような活動が必要になる」。同病院のコンサルテーション・リエゾンに参画する神経科精神科の金田礼三助教は話す。

長く付き合う病気で

 「がん」は進行の状態や原発巣の部位によって、治療に長く時間を要する場合がある。がん以外でも、長く付き合わなければならない病気はある。内分泌の異常を伴う病気は、症状として気分が落ち込んだり、逆に気分が高揚したりすることがある。病気そのものや、その治療に伴って、精神的な状態は影響を受ける恐れがある。

 「もし何かあったら家族は大丈夫だろうか」「病気があっても、ちゃんと仕事は続けられるだろうか」。病気や治療以外の面でも悩みは深まっていくことがある。

 リエゾンは「橋渡し」「連携」を意味するフランス語である。患者の悩みに耳を傾ける行為自体は金大附属病院でも、病気の担当科の医師や時に精神科の医師が既に行っていた。以前との一番の違いは、それがチームによる取り組みになったことだ。

 チームは昨春、精神科医師と看護師、ソーシャルワーカーの3人でスタート。現在、心理師と薬剤師も加わり、結成以来チームで延べ400件以上の相談に応じた。

 中高年の男性はがんで入院。がんは進行しており、治療に時間がかかる。「ドクターは治療方針も丁寧に説明してくれたが、本当に治るだろうか」「もしものとき、子どもや妻は大丈夫だろうか」。男性は不安で眠れない。男性の様子に、担当医はリエゾンチームの対応を要請した。

患者「気持ち和らいだ」

 医師をはじめ複数のメンバーが悩みに耳を傾けた上で、睡眠薬を処方。退院後に備え、治療と並行しながら仕事を続けられるよう相談にも乗った。担当科の医師の奮闘で治療を乗り切った。退院の際、「話を聞いてもらい、心のつっかえ棒がとれた。気持ちが和らいだ」とチームにも感謝を伝えた。

 チームによる利点はスピード感のある対応に加え、多角的な視点で患者の悩みに向き合えることだ。金田助教はさらに「性別や年齢、状況によっては、話しにくいことがある。一人よりも複数の方がお互いに余裕を持って対話や対応をすることができる」と語る。

 チームによるリエゾンは現在、石川県内の他の病院でも導入されている。金田助教は「個別化医療が進むように、これまで以上に患者それぞれの心に向き合うことも求められているのではないか」と指摘する。

 心が弱るときは誰にでもある。周囲の理解と支えを糧に、心を整えたい。

(第75部・おわり)



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