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第76部・ミクロの底力

(2358)放射線科医の仕事(上) 各科と連携、総合病院支える 1日200件に対応
北國新聞(朝刊)2019年06月29日付

「放射線科は究極のサービス業」と話す蒲田病院長=金大附属病院
 1895年にレントゲンがX線を発見してから、来年は125年に当たる。超音波やコンピューター断層撮影(CT)、磁気共鳴画像装置(MRI)と次々と登場した検査機器。技術の進化と歩を合わせて、医療の現場で高い技量が求められる医師が放射線科医だ。患者と直接言葉を交わす機会は少ないが、病気の診断に深く関わり、治療でも大きな役割を担う。

 総合病院で診断を受ける際、その診断は主治医が行っていると考える人は少なくない。確かに診断結果を分かりやすく伝えるのは主治医の役目だ。しかし、診断においては、放射線科医が大きな責務を果たしている。CTやMRIによる画像を元に、体の中の異常を探り、病名が何かを調べているのだ。

「ミクロの決死圏」

 「時には、データを通して担当医以上に体の隅々まで事細かく観察する。また治療の際には、映画『ミクロの決死圏』のように、細部まで管を通し、患者の命を救っている」。自らも放射線科の専門医である金大附属病院の蒲田敏文病院長(金大副学長)は語る。

 放射線科医の仕事は大きく分けて三つある。一つ目は、冒頭で触れた放射線診断だ。CTやMRI、レントゲンなどを活用し、画像を元にして病名を診断する。

 二つ目は、血管造影(IVR)。聞きなれない言葉だが、カテーテルを使った検査や治療のことだ。太ももの付け根や腕の動脈からカテーテルと呼ばれる細い管を通し、造影剤を目的の血管に流しながら、体の状態を調べる。カテーテルは、そのまま治療器具としても用いられる。

 三つ目は放射線治療。特にがん治療においては、手術療法や化学療法と並ぶ代表的な治療法であり、根治に加え、症状の緩和にも役立てられている。

 三つのうち、最も多くの患者が放射線科医と関わっているのが放射線診断となる。蒲田病院長によると、金大附属病院では、CTやMRIを使った検査であれば、各科の担当医が必ず放射線科医の報告書に目を通してから診断を下すようにしている。

24時間態勢で

 金大附属病院で放射線科や関連する核医学科のスタッフは約50人に上る。これは内科に次ぎ、整形外科と並ぶ規模だ。これらのスタッフで年間、CTでは約3万5千件、MRIでは約2万件のデータに目を通す。1日当たりでは約200件の診断を下している。さらに、24時間態勢を取る。

 全身のあらゆるところに発生するがんや良性の腫瘍、動脈瘤…。そしてそれぞれの治療に当たる内科や外科…。診断で大きな役割を担う放射線科は、ほぼ全ての科との連携が求められる。蒲田病院長は「大仰な言い方をすれば、放射線科は総合病院の肝。高い技量が求められる。医師の世界における究極のサービス業ともいえる」と話した。



 総合病院の医療で、患者が直接目にする機会の少ない放射線科医の役割とは何か。第76部は「ミクロの底力」と題し、さまざまな病気に対する放射線科の診断や治療の方法を紹介する。



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