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第81部・目を健やかに

(2457)スマホ内斜視(下) 育児に利用、ほどほどに 30分使ったら10分休む
北國新聞(朝刊)2020年06月07日付

「子どもが静かにしてくれるから」と長時間スマホを使わせるのは内斜視を招く危険がある
 子どもたちに増えているとされるスマホ内斜視。その原因として、眼科専門医たちが警鐘をならすのが「スマホ育児」だ。スマホやタブレット型端末を育児に利用することである。

 金沢市内のある家族の話である。父と母と、3人の男の子。一番上が小学生、弟たちはまだ保育園で、元気いっぱいである。やんちゃ盛りの男の子たちに、共働きの父親と母親も手を焼いている。

子守り代わり

 「あー、もうご飯つくれんがいね。静かにしとって」「ちょっとママは仕事せんとだめなの」

 子どもはもちろんかわいいが、仕事や家事に支障が出てくると、つらい。少しでも、静かにしてほしくて、母親は自分や父親のスマホで動画を見せるようになった。

 両親のそばについて回っていたはずの子どもたちは、画面にずっと見入っている。スマホは優秀な子守りだ。

 30分、1時間、2時間…。静かにしてくれるのをいいことに、そんな日が続いていたある日、長男が駆け寄ってきて言った。

 「お母さんが重なって見える」

 長男の目を見ると、片方の黒目が内側に寄っていた。慌てて病院に連れて行くと、内斜視と診断された。

 金大附属病院で、斜視を専門とする杉山能子医師は訴える。「お母さんたちが話し込んでいる横で、子どもはずっとスマホを凝視する。静かにしてくれるといってもスマホ育児はリスクが大きい」

 スマホ内斜視は20代半ばより上の世代、壮年期や老年期ではほぼみられないという特徴がある。それは子どもたちの目が、体と同じように成長の途上にあるからだ。

 両目には、それぞれ6本の筋肉があり、上下左右自在に動かすことができる。そして、両目の筋肉が脳によって連動しているため、そろった動きが可能となる。

目の筋肉にずれ

 この機能は大人になることによって出来上がるが、子どもの間は、まだ不完全である。

 そのため、この時期に、スマホやゲームのような激しく画像が変わったり、点滅したりするような画面を目に近づけて見続けると、6本の筋肉のバランスが崩れ、ずれが生じた状態が普通となってしまう。杉山医師は「子どもは大人と比べても、目に近いところで画面を見てしまいがち。これも、目にとっては大きな負担になる」と話す。

 内斜視が一度起きてしまうと、手術をしなければならないケースがある。6本の筋肉を縮めたり、緩ませたりする方法で、手術時間は30分程度だが、杉山医師は「ならないようにするのが何よりの対策だ」と語る。

 最も良いのは、スマホやタブレット端末、携帯ゲームを子どもに触れさせないことである。とはいえ、どうしても使うときもあるだろう。

 杉山医師は「せめて30分使ったら、10分は必ず休む。1日に合計2時間以内に抑えるなど、親子でルールを決めてほしい」と強調する。

 スマホ内斜視はせっかく治っても、生活習慣次第で再発することもある。スマホに育児を任せっきりにする悪影響を覚えておきたい。



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