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第81部・目を健やかに

(2458)子どもの弱視 一刻も早い治療が鍵 6歳までに視力発達
北國新聞(朝刊)2020年06月13日付

子どもの目の状態を調べる医師と視能訓練士。できるだけ早く治療を始めることが将来的な視力に大きく影響する=金大附属病院
 赤ちゃんの澄んだ瞳は全てを見通すように見える。が、視力という意味では、実際はほとんど見えていない。その数字は0・02ほどで、それから急速に発達し、5、6歳で1・0以上となる。

 つまり、この6歳までの期間が、人間の視力の発達に非常に重要だ。この期間に、なんらかの目のトラブルがあると、将来的な弱視を招く恐れもあり、大人は十分に注意しなければならない。

乳幼児に眼帯は危険

 金大附属病院に、若い女性が赤ちゃんを抱えて心配そうにやってきた。ものもらいができたという。

 ものもらいは、大人だけでなく、乳幼児もかかる、最も身近な目にまつわる病気の一つである。まつげの毛穴などに細菌がつくことで起きる。免疫力が低下することで起きやすくなるが、早めに治療すれば、心配はない。

 医師の説明に「よかった」とほっとした表情を浮かべる女性。しかし、その直後、医師が注意した。

 「でも、視力が伸びている乳幼児に眼帯をつけるのは絶対にだめです。つけっぱなしにしていると、弱視を招く恐れもありますよ」。母親は慌てて、わが子の顔から眼帯を取った。

 金大附属病院の杉山能子医師は説明する。

 「視力が発達するためには、成長期に毎日、両目でピントの合った像を見ることが大切です。これにより、網膜から脳に刺激が伝わり、視力が発達するのです」

 視力は10歳前後まで成長すると言われるが、6歳までの期間と比べると、その後では伸びが大きく違う。だから6歳までの時期に、目をきちんと使うことが大切になる。

 さらに、病気やけがなど何らかの目のトラブルも、弱視を招きかねない。

 例えば、片方の黒目が正面を見ているのに、もう一方の黒目が内側や外側に向いている斜視や、まぶたが垂れ下がる「眼瞼下垂(がんけんかすい)」だ。これらは親が気付きやすいが、片方の目の遠視や乱視など気付きにくい症状もある。杉山医師は「目を細めていたり、近づいたりして物を見るようなしぐさがあれば、要注意です」と語る。

大切な三歳児健診

 生かしたいのは健診の機会である。特に「三歳児健診」には、身体検査や尿検査と並び、視力の検査がある。「弱視の子どもの保護者の中には『うちの子どもはよく見えていると思っていたのに、健診でひっかかり驚いた』と話す方も多い」と杉山医師も訴える。

 一刻も早く対応が必要な例もある。代表格は先天白内障や眼瞼下垂で、杉山医師は「子どもの目が濁っていたり、まぶたで目が隠れていたりするようであれば、健診を待つことなく病院にいくべきです」と強調する。

 弱視の治療には、矯正用の眼鏡や視力が良い方の目に眼帯をつける方法などがある。他の病気やけがと同じように早め早めに対応することで治療効果も大きくなる。

 「気になることがあれば、医師に相談するのが大切。『明日ではなく、今日』が大人になってから、大きな違いになる」と杉山医師。両親だけでなく、家族みんなで、子どもの変化に目を凝らしたい。



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