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第81部・目を健やかに

(2478)角膜感染症 放置すれば視力低下 ドライアイ、糖尿病がリスク
北國新聞(朝刊)2020年08月22日付

早めの治療が肝心と強調する森医長=金沢市の済生会金沢病院


 角膜は、目にとって最初に光を取り入れる窓であり、繊細な本体をカバーするために欠かせない存在である。その角膜にもやはり病気がある。代表格が角膜感染症だ。

 金沢市内に住む70代女性の話である。ある朝、目を覚まして、目を開けようとすると痛みを感じた。

 「まぶたを閉じていると、ちょっと楽。そのうち良くなるかも」。そう思い、午前中は薄目で何とか我慢していたが、午後になっても、一向に痛みがひかない。目を開けようとすると、つらい。

 「しんどい。やっぱり病院に行こう」。心配した夫が近くの眼科医院まで連れて行ってくれた。

抗菌の目薬で治療

 慎重に眼球を調べた医師に告げられた。「角膜感染症を起こしていますね。原因は細菌のようですから、抗菌作用のある目薬を忘れずにつかってください」

 女性は医師に言われた通りに目薬を差した。1週間ほどたつと、痛みも少しずつ消えた。

 経過を見てもらうため、再び病院に訪れた女性は、医師の説明に驚いた。「早めに来て本当によかった。角膜感染症は放置すると、角膜に濁りができ、痛みが引いても、視力がぐっと落ちることもあるんです」

 角膜感染症は細菌以外にも、ヘルペスウイルスや真菌、いわゆるカビによっても引き起こされる。

 金大附属病院の協力研究員で、済生会金沢病院眼科の森奈津子医長は「多くのケースでは、それらが角膜の傷をきっかけに繁殖する」と説明する。

 角膜が傷つきやすいのは、主にコンタクトを長時間、装用したときだ。特に手入れがずさんなコンタクトだと、傷ができやすくなる。また、ドライアイもリスクになる。目の表面を覆っている水分が減り、乾いた状態だと、目の表面がむき出しになるため、傷つきやすい。

 さらに、森医長は「糖尿病を発症している場合も注意が必要だ」と説明する。糖尿病で免疫機能や角膜表面のバリア機能が低下すると、細菌やウイルス、真菌の繁殖を許してしまう恐れがあるのだ。

小さな傷のうちに

 もっとも、角膜はコラーゲン線維でできており、5層構造になっている。一番外側の角膜上皮は毎日のように細胞が入れ替わっているため、小さな傷なら修復できる。角膜感染症は原因にあった薬を点眼したり、点滴を打ったりすることで治療できる。

 ただし、角膜5層のうち、内側に行けば行くほど、細胞が入れ替わらない。「そのため、感染症が広がっていると、細菌やウイルスを死滅させても、濁りができる。だから、早めの治療が肝心です」と森医長は強調する。

 目のごろごろを感じたり、充血があったりすれば、迷わず病院へ。傷が小さいうちに治すか治さないかで、予後が大きく違うのが、この病気の特徴である。



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