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第81部・目を健やかに

(2479)コンタクト使用で注意 雑な管理で角膜が感染 保存容器で大繁殖
北國新聞(朝刊)2020年08月23日付

アカントアメーバ角膜炎を防ぐにはコンタクトの正しい手入れが欠かせない=金沢市の済生会金沢病院
 幅広い世代で利用が増えているコンタクトレンズ。眼鏡に比べてゆがみが少なく、見た目も変わらないなど便利だが、使い方やケアの方法を間違えると、目に大きな悪影響を及ぼす。

 金沢市内に住む20代の男子大学生は目がすっきりしない日が続いていた。

 「ごろごろするな。ちょっと、使い過ぎたかな」

 思わず目に手を当ててコンタクトレンズを取り出した。視力が下がってきた高校時代から使用している。

 愛用しているのは、「ワンデイ」と呼ばれるタイプ。朝起きて1日使った後、目から取り外したらそのままごみ箱に捨てられる。洗浄の手間がないことは、面倒くさがりの自分にはぴったりだと感じていた。

目がごろごろ

 だが、その横着さが大学生になってから、ひどくなっていた。アルバイトなどで帰りが遅くなると、そのまま眠ってしまい、本来、1日しか使用できないコンタクトレンズを2日間使うことが増えてきた。そこに現れたのが、今回の違和感だった。1日で取り換えるようにしたが、目のごろごろは解消しない。そのうち白目の部分が充血するようになった。

 さらに目の痛みも感じるようになってきた。これではたまらないと、眼科医院を訪ねると、医師に「角膜が炎症を起こしている」と言われた。

 詳しく調べるため、医師の紹介で金大附属病院へ。告げられた病名は「アカントアメーバ角膜炎」だった。

 「アメーバって理科で習う、小さい生きものですか?」

 男子学生が尋ねると、医師が答えた。「微生物が目の中で繁殖する病気です。失明に至る危険もあるのです」。その言葉に男子学生は思わず身を起こした。

 同病院の協力研究員で済生会金沢病院眼科の森奈津子医長によると、アカントアメーバは、地球上のどこにでも存在する生きものである。触れる機会は誰にでもあるが、この病気を発症するのは、コンタクトレンズを使う人が圧倒的に多いという。レンズを介して角膜に感染するためだ。

 森医長は「使っている人が全員発症する訳ではない。目立つのは、きちんと手入れをしていない人です」と語る。

 コンタクトレンズを長時間装用していると角膜に傷がつきやすくなり、その傷からアカントアメーバが侵入する。また細菌をエサにするため、保存容器の保存液を使い続けて細菌に汚染されていると、大繁殖して角膜に感染しやすくなる。

治療に痛み伴う

 アカントアメーバ角膜炎は、角膜感染症の一種だが、細菌やウイルスが原因のタイプと違い、死滅させる薬が現段階でなく、治療は難しい。角膜の表面を削って、薄めた消毒液を点眼する処置が行われるが、非常に痛みを伴うという。

 森医長はこの処置に代わる治療薬の開発に力を入れる。ただ、この病気を引き起こす原因の多くは本人自身である。コンタクトレンズの間違った使用や、自己流の雑な管理はやめ、正しく使うことが最善策である。



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