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第82部・口は災いのもと

(2490)口は災いのもと 侮れない口内炎 背後に潜む慢性疾患 繰り返し再発なら病院へ
北國新聞(朝刊)2020年10月03日付

 口に現れたささいな異変がもとで、思わぬ病魔が見つかることもある。誰もが一度は経験しているであろう「口内炎」も、甘く見てはいけない。

 歯茎や頬の内側、舌の裏側が部分的に腫れる口内炎は、会話や食事、歯磨きのたびにズキンと痛み、気がめいってしまうものだ。口内炎にも幾つか種類があるが、ほとんどは「アフタ」と呼ばれる米粒ほどの潰瘍ができるタイプで、主な原因はストレスや寝不足、栄養状態の悪化とされる。

 こうした「アフタ性口内炎」は放っておいても1週間から10日ほどで治るが、金大附属病院歯科口腔(こうくう)外科の川尻秀一教授は「何度も繰り返し、なかなか治らない口内炎は、迷わず医師に見せてほしい」と訴える。

「病院なんて大げさ」

 金沢市内の40代女性は、ここ数年、しょっちゅうできる口内炎に悩まされていた。市販薬を使い、治ったと思いきや、またぶり返す。慢性的な口内炎のせいで食事が苦痛になり、おいしいと思えなくなってしまった。

 「つらいけど、口内炎ぐらいで病院に行くのは大げさじゃないか」。市販薬に頼り、口の痛みを我慢し続けた女性だったが、ある時、友人に「ひょっとしたら、ただの口内炎じゃないのかも」と言われたのがきっかけで不安が頭をもたげ、近所の歯科医院を受診した。

 何度もぶり返すという女性の訴えを不審に思った歯科医は、金大附属病院を紹介し、歯科口腔外科や内科の医師が診察した結果、女性は指定難病の一つ「ベーチェット病」だと判明した。

 ベーチェット病は口や皮膚、目など全身に慢性的な炎症が起きる病気だ。従来、男性に多いとも言われてきたが、最近の研究では性差がないとされる。発病するのは20〜40代が多く、重症化すると内臓や神経、血管にも悪影響を及ぼす。

 ベーチェット病は確定的な検査方法がなく、症状をもとに診断をつける。患者によって病状が多様なため、多科にまたがる治療が必要になることもあるが、炎症を抑えるステロイド剤を使うケースが目立つ。

 口内炎は主要な症状の一つで、川尻教授は「再発性の口内炎なら、ベーチェット病は疑うべき病気の一つ。内科だけでなく、歯科医も関わって口腔環境を整え、口内炎を少しでも抑える治療に当たります」と説明する。

口内に白いコケ

 一方、高齢者がなりやすいのが「カンジダ性口内炎」である。カンジダ菌というカビの一種が口内に繁殖する病気で、白いコケのようなものが付着したりする。

 このタイプの口内炎は痛みがないこともあるが、川尻教授は「もともと口の中にいる菌が体の抵抗力が落ちることで異常繁殖する。抵抗力が落ちた原因には、糖尿病はじめ別の病気が潜んでいることもあり、注意が必要です」と指摘する。

 ありふれた病気だからと自己診断で軽んじるのは禁物だ。10日以上長引くような口内炎は重病のサインかもしれないと知っておこう。



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